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受験希望者への檄文
木嶋研究室 早わかり5箇条
- 「意思決定システム科学」「システムマネジメント」研究のフロントランナー。システム科学の立場から個人や組織など様々な主体の意思決定に対する統一的モデルの開発。
- 21世紀COEプログラム「エージェントベース社会システム科学の創出」の中核。
- 国内外に張り巡らす研究教育のネットワークのハブとしての実績。
- 多様なバックグラウンドの学生が、厚い指導体制と整備された研究環境により切磋琢磨する知的体育系的雰囲気。
- 理学工学学術のすべての学位授与経験を持ち、抜群の就職進学実績と博士学位取得率。
専攻からの檄文
木嶋研究室は、1996年にできた東工大の大学院社会理工学研究科価値システム専攻(通称VALDES)に所属する研究室です。価値システム専攻は、価値判断と意思決定の科学、という全く新しいコンセプトの専攻です。学部を持たない、いわゆる独立大学院のかたちを取っています。この専攻について説明しましょう。
今求められているのは「ソフト系科学技術」
まず、この専攻が何を目ざしているのか、について。進歩し巨大化した科学技術が、いま曲がり角に来ている。資源も底をついてきたし、もう、従来のようなモノ重視の大量生産・大量消費という路線では立ち行かない。そういう行き詰まり感は、誰しも感じているところだと思います。
では、どうするか。肝腎なのはそこからです。地球にやさしく、などという掛け声だけでは何の解決にもならない。具体的に何をどうしたらよいのか。ソフト系科学技術の出番です。
ブレークスルーへ
ソフト系科学技術とは、いろいろな技術を利用する際に、その特性をじゅうぶん踏まえた上で、もっとも有効に利用・運用を図るための科学技術です。たとえば、工場設備をいちばん効率的に回転させるために用いられてきた数理的手法や、計測・制御技術、コンピュータ・ソフトウェアなどは、従来から発達してきたソフト系科学技術です。
このソフト系科学技術のカヴァーする範囲が、今やどんどん広がりつつあります。人間の知的機能全般へとです。そこでは、従来にもまして人文・社会科学と自然科学分野の知見を融合し、人間との結びつきを重視した新しい総合的な科学技術であることが求められています。たとえば快適かつ安心して暮らせる生活環境や社会システムを設計しようとした場合、効率性や機能性ばかりでなく、個人や人間の特性の理解に基づいて快適性や調和性を追求するといった、より幅広い目配りが求められることとなります。
一種のブレークスルーが求められているわけです。人文・社会科学の知を積極的に組み込んだ、あたらしいソフト系科学技術へと、従来の経験を踏まえて脱皮することが求められているのです。そして、それこそが曲がり角に来た巨大科学技術を正しく導く水先案内人たりうるでしょう。
先端的教育の場
そこでVALDESの登場です。わが国の人文・社会科学のフロントランナーと意思決定科学のエキスパートを擁するVALDES=価値システム専攻は、まさに人文・社会科学と自然科学分野の知見を融合し、技術と人間の調和の視点から人間社会の直面する複雑な課題に先端的アプローチを試みるにふさわしい場として設計されました。
少数精鋭で小回りの利く、異分野どうしの風通しの良さが持ち味の専攻です。
ターゲットは理工系学生
しかも、このVALDESが東工大という理工系大学に設置されたのは、主たるターゲットを理工系バックグランドの学生に置いているからです。ソフト系科学技術には理工学の知識が不可欠です。学部時代に学んだ理工系の知識を生かしながら、人間と社会に関する幅広い視野と見識に基づいて論理的にものごとを考える意欲的な人材を、VALDESは強く求めているのです。
理工系出身者に提供されるカリキュラムと進路